因果関係その2

昨日の投稿では、因果関係が完全に把握できないという現実を前にして、我々臨床家に何ができるのかという課題を残した。昨日の記事は他の団体の偉い先生(たとえばIZW先生とか)も読んでくださったようなので、意見を聞かせていただきたかった。

では、私の考えを述べよう。

上の視点(メタ視点)からとらえる

例えば頸椎の何番がどういうふうに歪んでいるとか、○○筋が短縮しているといった具体的な要素から、さらに上の視点、例えば、この問題はなぜここに存在しているのかというような視点(アリストテレスの言う「目的因」のようなもの)に切り換える。こういった視点のレベルは何段階も存在し、我々オステオパスは最終的に「健全」という視点で患者をとらえる。

重要な問題にフォーカスする

この際、何にとって重要なのかということに注意して欲しい。それは決して患者の訴える症状にとってという意味ではない。患者のシステム全体に対して重要な影響を及ぼしている原因にフォーカスすべきである。最終的に我々がアプローチするのはそういう場所である。それはシステム思考では「レバレッジ・ポイント」と呼ばれる場所であり、我々オステオパスは「キー・リージョン」と呼ぶ。

もし我々がエンジニアであり、相手が機械なのであれば、我々はすべての問題に対処しなければならない。そうしないと相手はまともに機能してくれないだろう。しかし、幸いにも、我々が相手にしているのは自然治癒力を持った人間である。すべての問題に対処しなくても患者自身が問題を解決してくれるのである。

ただ、ここで我々治療家が強く心に留めておかなければならないことは、我々の介入も患者のシステムに影響を与える原因であり、局所的な問題を解決することが患者のシステム全体にとって良いことであるとはかぎらないということである。患者のシステムは常に全体最適を目指しており、部分最適しか頭にない者の介入などすぐに跳ね返されてしまう。それでも更に強く介入するのであれば、それはもはや治療ではなく、暴力と言ってもいいだろう。

さて、大阪の講義の中では、ここから更にもう一歩踏み込んだことを話しているのだが、すべてを話してしまうと、講習会費を払って休日を犠牲にして来てくれた人達に怒られそうなので、この辺までにしておこう。

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ここに書かれていることは一人のオステオパスの個人的見解であり、オステオパシーの標準的な考えとは限りません。批判や意見は大歓迎です。

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“因果関係その2” への2件の返信

  1. 先生、お久しぶりです
    東大阪在住の(笑)

    >我々の介入も患者のシステムに影響を与える原因

    私が勉強している心理学とも通ずるところ
    出来るだけ触らない方が良いと感じるこの頃

    患者様自身は?と言う原点の大切さかな
    勉強になりました

    1. 兄ちゃん、お久しぶりです。
      コメントありがとうございます。

      返信を考えていたら長くなりそうなので、次の記事のネタにさせていただきます(笑

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