オステオパスとして考える

私が参加させていただいているASSOSGというスタディ・グループの国際セミナーは、オステオパシーの本場であるアメリカで臨床家としても教育者としても実績のある先生たちを厳選して来ていただいている。そこで勉強させていただけるというのは、本当に有難い話なのである。

そういった先生たちを見ていると、皆、オステオパシーの原理原則に基づいてものを考え、オステオパシーの哲学に沿って生きていると感じる。それが、単に「治療にオステオパシーの理論や技術を利用している人」と「オステオパス」との違いであり、その間には深く大きな隔たりがある。私が目指しているのは、当然後者である。

いつの頃からか、私も本や記事を読む際に、オステオパシー的にどう解釈すればよいのか、オステオパスとしてその知見をどう患者さんへの貢献に利用すればよいのか、という観点で読むことが自然になっている。いやむしろ、そういったヒントを探すためにあらゆる分野の本を読むようになっている。

しかし、常にそうやって考えているからといって、すんなり答えが得られるものではない。正直に告白すると、苦悶の毎日である。

そういった点からも、国際セミナーに出席させていただくことは、自分にとってかなり助けになっている。

私はオステオパシーの観点から医学的な情報を見ているのであるが、国際セミナーでは通常、方向が逆転する。つまり、医学的なテーマからオステオパシーを見ることによって、オステオパシーに対する理解を深めようとするのである。そのテーマが何であろうと、それはオステオパシーのためのセミナーなのである。

今年受けた国際セミナーを例にすると、1月には癌免疫を中心とした免疫系を通して、3月には周産期(妊娠から出産までの母親と子供)を通して、そしてこの4月には神経免疫を通してオステオパシーを考えてきた。そうやってオステオパシーの理解を深めることによって、また新しいものが見えるようになってくるのである。

例えば、4月のセミナー初日、参加者の自己紹介の際に「このテーマ(神経免疫)の中で取り上げて欲しいことがあれば言ってください」ということだったので、私は「自然炎症について聞きたい」と言った。それは時間の都合でスルーされてしまったのであるが、セミナー中に提示された数々のヒントによって、自分なりに納得のいく結論に至ることができたし、その仮説を検証するための方法論も実習の中で示してもらうことができた。これだから勉強というものは面白くてやめられない。

こういった思考と苦悶は、偉大な先人たちでさえ死の直前まで行ってきたことであり、私もおそらく死ぬまでこんなことをやっているのだろうと思うが、それは苦悩だけではなく楽しみでもあるのである。

The following two tabs change content below.
所長
ここに書かれていることは一人のオステオパスの個人的見解であり、オステオパシーの標準的な考えとは限りません。批判や意見は大歓迎です。
所長

最新記事 by 所長 (全て見る)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA