生命、エネルギー、進化

先日の記事のアクセス解析を見てみると、量子力学の書籍に興味を示した人が結構多かったので、量子力学とは違うが、もう一冊面白い本を紹介したいと思う。

これは、去年私が読んだ本の中で一番面白かった本である。

生物学の本であるが、特に生命の起源や進化について書かれている。それらをエネルギーの視点から考察しているところが他の本とは違うところである。

最初に現在わかっていること、そこから導かれた仮説を紹介し、それらに対する疑問を列挙していく。その後、それらの疑問を自らの視点から一つ一つ推論していく構成は、まるで上質のミステリー小説を読んでいるように引き込まれた。

我々の治療のヒントになるようなことが色々と書かれていたのだが、特に私が注目したのは以下の2点。

・ギブズの自由エネルギーが負の値を取るとき、反応は自発的に生じる。

・系の外に熱を放出することによって、外部環境のエントロピーが増大し、相対的に系のエントロピーは下がり、秩序が高まる。

これらによって新しい治療法を生みだすというよりは、我々の治療中に起こる不可解な現象の説明になり得るという点で有益だと思う。

訳者のあとがきを読むと、原著が出版された際、かのビル・ゲイツが本書を絶賛していたそうである。この本は一般の人が読むにはかなり難しいと思う(ビル・ゲイツも十分には理解できなかったと正直に告白していたらしい)が、生化学の素養がある我々医学者であれば、少なくともビル・ゲイツよりは理解できるだろう。

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