具体と抽象 その2

昨日の記事にコメントをいただいた。コメント欄で答えるのはもったいないから、記事にしようと思う。記事は1週間に1つぐらいでいいかなと思っているのだが、コメントをいただければもっと頻繁に書くかもしれない。

以下、「」内はコメントの引用。

「過去の記事を見返してみまして、具体論と抽象論の部分で「食いつきが悪い」と以前にも書かれていまして、そのような印象がきわめて強いのだと伝わってきました。決して食いつきが悪いわけではないと思うのですが……( ̄∇ ̄)」

大変失礼しました(笑)

「学習の過程においても、具体→抽象ではなく、具体←→抽象のように常に双方のバランスを取っておく必要があるのでしょうか。」

もちろん学習の初期のプロセスにおいては分解して一方に集中することが効率的であることもあります。しかし、ある程度レベルが上がると常に統合しておいた方が逆に効率的になると思います。例えば、何かの理論(抽象)を勉強している最中に、自分が診ている患者の問題(具体)に当てはめてみたり。

実際の臨床では、例の如くここに画像は載せませんが(笑)、講義のスライドの中で示したデザイン思考のモデルの図が具体と抽象の間の行き来をわかりやすく表していると思います。

「この質問をしながら、いくつかの思考が出てきたのですが、具体的な部分の向上は練習や指導だと思うのですが、抽象的な部分については、どのように向上させるべきなのでしょうか。」

最も大事なことは、自分の頭で考えることです。ここに問題があるから治療してみようではなく、なぜここに問題があるのか?この問題は全体の中でどのような意味を持っているのか?そういう問題意識を常に持っているとどんな本を読んでも(たとえ専門外の本であっても)自分の臨床に結びついてくると思います。

しかし、最もためになるのは、古いオステオパスが残した文献を読むことだと個人的には思います。厳密なサイエンティフィック・リサーチではなく、どんな風に考え、どのようにして問題を克服したのかという告白です。まあ、こういった文献を日本語で入手するのは難しいかもしれませんが。

「結局、いちばん固いところや目立つところを治療してという流れになると、いつまでも抽象的な部分は伸びないような気がしまして……(もちろん、経験やパターンの蓄積ができますので、その恩恵はあると思うのですが、抽象的に見る根本的な資質とはちょっと違うのではないかと思うのです)。」

そう、だから大阪の講義では検査と治療の間の評価をグループ・ディスカッションという形にしたのです。そこで仲間に対しても自分自身に対してもできるだけ多く「なぜ?」と問いかけてみてください。いいトレーニングになると思いますよ。

まだまだ書きたいことはあるのだが、今日はこの辺で勘弁しておいてください(笑)

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ここに書かれていることは一人のオステオパスの個人的見解であり、オステオパシーの標準的な考えとは限りません。批判や意見は大歓迎です。

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