大阪での講義—診断学

現在、全日本オステオパシー協会の大阪支部で「診断学」の講義をさせてもらっている。

全8回のコースで、前回までの4回はスタンダードな講義形式、つまり私が喋って参加者に聴いてもらう、私が実技を指示して参加者にやってもらう、というものだ。次回からの4回はアクティブ・ラーニング形式で参加者主体でやってもらうことになっている。つまり、参加者たちに検査、ディスカッション、治療、再評価をやってもらい、私はサポートと補足的なレクチャーをやることになっている。

次回の講義は少し先になるのだが、今からとても楽しみである。もし参加者がごっそり減ってしまったら、とても落ち込むことになるだろう。

ここで言う診断とは、単に悪いところを見つけて、それがどう悪くなっているのかを判定するだけではなく、一人の患者が全体としてどういう状態になっているのかを判定するものである。

今回の講義の中では前者を「局所の診断」、後者を「全体の診断」として説明してきた。局所の診断は断定的だが、全体の診断は抽象的なもの、すなわち推論ということになる。

局所の診断では、複数の検査者で意見の一致が見られ、正確な診断が出るはずである。それに対して、全体の診断では、意見の一致は認められないかもしれないし、正確かどうかは治療して再評価するまでわからない。もちろん、だからといって当てずっぽうでもいいというわけではない。更なる検査と推論を重ねていき、可能性を高めていかなければならない。考えることをやめてはいけない。

限られた時間と治療に対する患者の耐容能の中で、最小限の介入で最大限の結果を目指さなければならない。もちろん、そこに至るショートカットはいくつもあるのだが、今回は基礎のコースなのでそれはあまり教えるつもりはない。皆にはひたすら面倒くさいことを愚直にやってもらいたいと思っている。その方が、間違いなく個々の検査や評価の精度が高まると思うからだ。

そういった努力が次の段階への道を開く。考えずに気付く段階である。基礎をショートカットした人間に叡智は語りかけてくれない。叡智の声を聴くには準備が必要なのである。

保存保存

The following two tabs change content below.
ここに書かれていることは一人のオステオパスの個人的見解であり、オステオパシーの標準的な考えとは限りません。批判や意見は大歓迎です。

最新記事 by 所長 (全て見る)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA